地域コミュニティブランド(SCB)の17箇条
地域コミュニティブランド(SCB = Social Community Brand)の活動は、SCBの17箇条に則って進めていきます。以下、SCBの17箇条を説明します。
SCBの17箇条
- 第1:モノ作りを通じた地域コミュニティの構築
- 第2:活動、繋がりをブランド化
- 第3:全員が同じ活動ブランド名を名乗る
- 第4:企業(組織)ブランド、商品ブランドを使用しない
- 第5:プレイヤーであると同時にコネクターの役割も担う
- 第6:人、アイディア、技術、モノ、情熱、興味、やる気、貢献、共感などの自律的な繋がり
- 第7:企業もプレイヤーの一つとして参加 ~ SCBブランドと企業ブランドの使い分け
- 第8:専門家集団・技術者集団を積極的に活用
- 第9:誰もが参加自由
- 第10:物語を発信する
- 第11:メディアの保有、連携による物語づくり
- 第12:コミュニティ、共感、繋がりを可視化
- 第13:地域コミュニティを支えるICTシステムの開発、運用
- 第14:社会学的、工学的な学術評価
- 第15:コミュニティビジネスの創発を目指す持続可能な活動
- 第16:セキュアーな場を提供。組織がなくても信用あり
- 第17:イトコ(※)の重視、とコミュニティへの注入
第1:モノ作りを通じた地域コミュニティの構築
地域コミュニティブランドは地域活性化のための新しいマーケティング、ブランディングの手法です。金銭的資源が乏しい地域において、地域コミュニティを構築し、コミュニティの力で活動を興し、ひいては地域を活性化します。また、SCBにおいては、その活動の目的たる商品やサービスといったモノが必要です。モノ(商品やサービス)を販売し対価を得て資源と変えることでコミュニティの持続可能性が高まります。
第2:活動、繋がりをブランド化
SCBではモノ(商品やサービス)をブランディングしません。進化や移り変わりの速い現代では、モノはもっと優れ、かつ安価なモノにすぐに置き換えられる(ライフサイクルが短い)ため、ブランド化の対象としては適さないと考えます。真にブランディングすべきは、もっと長く存続できる活動やつながりです。
第3:全員が同じ活動ブランド名を名乗る
例えば自己紹介のときに使う「●●会社の××です」であったり、商品を説明するときの「●●会社の商品です」というフレーズ。SCBではコミュニティの構成員は異なる会社や組織に属していたとしても同じ活動ブランド名を名乗り、巷で多く聞かれ、関心を集めることを企図します。
自己紹介をするとしたら、”活動名”の”人名”です。例えばSCB自転車塾の内藤です。
第4:企業(組織)ブランド、商品ブランドを使用しない
企業ブランドや商品ブランドを使うことでブランディングに用いる資源の断片化が惹き起こされます。広報やブランディングのための資源を企業・商品ブランドに費やすやり方ももちろん有効ですが、SCBでは活動のブランディングのために資源を用います。
第5:プレイヤーであると同時にコネクターの役割も担う
つながりを生み、広げていくために、SCBに関わる人たちは活動の主体であると同時に、つながりを生み出す一単位(「ピア」といいます)として動きます。ピアはコネクターとしてつながりを生み、そのつながりはべき乗的に広がっていきます。
第6:人、アイディア、技術、モノ、情熱、興味、やる気、貢献、共感などの自律的な繋がり
人がピアであることはもちろん、SCBでは上記の事物もピアとしてつながることを想定しています。つながるためにピアはそれぞれインターフェイスを持ち、自律的に動作し、つながりを広げていきます。そしてこのつながりがコミュニティとなります。
SCBにおいて、コミュニティとは「人と場と活動の有機的なつながり」と定義されています。
第7:企業もプレイヤーの一つとして参加 ~ SCBブランドと企業ブランドの使い分け
コミュニティを構成するのは個人に限りません。企業や団体も一員となることができます。企業や団体は、それ自体は組織であり、多くの場合C/S(クライアント・サーバ)モデルでトップダウン的に統制されています。組織はそれ自体が強固であり資源を有していることが多いため、SCBのコミュニティの一員(ピア)として参加した場合に、強いピアとして活動の信頼性を上げるメリットをもたらしてくれます。
SCBにおいては、企業や団体がSCBの活動内部では一人のプレイヤー(ひとつのピア)として活動し、SCBの活動外では企業や団体それ自身として行動することを想定しています。
企業がピアとして参加するネットワークの形をSCBではP2Pネットワークのセミピュアモデルと定義しています。
第8:専門家集団・技術者集団を積極的に活用
プロフェッショナルたちは、保有するスキルや資産により経済活動を行い、自身をブランディングすることに成功している企業や個人(フリーランスなど)です。プロフェッショナルである企業や個人がコミュニティに参加することで、コミュニティの信頼性を増進させてくれます。
第9:誰もが参加自由
SCBにおいては、コミュニティへの参加を自由としていることで、爆発的な(べき乗的な)広がりが可能です。また、コミュニティ内部の1単位であるピアの基本的な属性を弱く短命なものと考えているため、ピアがコミュニティから容易に離脱することを前提としています。ピアが自由かつ自律的に参加、離脱することによる活動のダイナミズムが生まれます。
第10:物語を発信する
現代ではどんなに良いモノであっても、その背景にストーリー(物語)がなくては容易にブランディングできません。SCBでは、活動に携わる人々の動き、モノが生まれる過程、苦労や工夫の軌跡を物語として発信することで、それに触れた人々の共感を勝ち得ることを想定しています。
第11:メディアの保有、連携による物語づくり
活動にまつわる物語を、Facebook、TwitterなどのSNSやYouTubeなど、保有するメディアを用いて拡散することで活動のブランディングを可能にします。また、SCBではWebだけ、Facebookだけというメディア単体ではなく複数のメディア(メディアミックス)による発信を推奨し、活動に携わる人々による爆発的な広がりを想定しています。
ふたつのSCB放送局(崇城大学情報学部棟1階と新市街スタジオ)からテレビやラジオ番組を放送すると同時にSNSやWebによる拡散を実行しています。
第12:コミュニティ、共感、繋がりを可視化
SCBでは、コミュニティ等の連携をプラットフォーム化し可視化します。地域の課題を解決する活動はアプリケーションとみなされ、プラットフォーム上において、プラットフォームからの広報や資金供給、ブランディングなどの支援を受けることで低コストに課題解決の活動を進めることができます。
第13:地域コミュニティを支えるICTシステムの開発、運用
地球上で最も成功しているICT産業。SCBでは地域コミュニティを支えるためのICTシステムを積極的に開発、導入し、活動の活性化を企図します。
第14:社会学的、工学的な学術評価
SCBは「活動のOS」として利用される理論となることを目指しています。地域活性化の成功事例が他の地域や他の分野に応用されていないように感じませんか?活動の仕組みを分析し、学術的に評価し、理論として、異分野に適用することが必要だと考えます。
第15:コミュニティビジネスの創発を目指す持続可能な活動
活動が持続可能性を高め、永続するためには金銭的資源への交換が必要と考えます。そのためには活動からモノを生み出し、コミュニティビジネスとして成立させます。「卵が先かニワトリが先か」ではありませんが、活動を継続することでビジネスとなり、ビジネスが継続するさらに持続可能性が高まります。
コミュニティの力を使い、活動をブランディングすることで、モノが生まれて1~3年間の鳴かず飛ばずの時期(デス・バレー)を短くすることが可能です。
第16:セキュアーな場を提供。組織がなくても信用あり
SCBの活動は、企業や団体などの組織という態様でなくとも、プラットフォームの形成により活動が可視化されることで、人や場所、モノなどのつながりが見えるため、信頼を得ることが可能です。セキュアーな信用度の高い活動がプラットフォームとなり、ブランディング、プロモーション、マーケティング、ファンディング、ライセンシングといった成果を上げることに貢献します。
第17:イトコ(※)の重視、とコミュニティへの注入
SCBの活動にどんな人を巻き込むべきでしょうか?それはイトコを有する人です。インセンティブ=やる気があって、トラスト=信用を持ち、コネクター=つながりを生む人材を見つけたら活動に参加してもらいましょう。もちろんあなた自身に、またあなたの活動にもイトコがあることが前提ですが・・・。
イトコは人だけでなく、コミュニティを構成するもの全てにあるはずです。モノや活動、場所、技術など。どんなイトコを見つけることができますか?
(※)
イトコとは色の3原色のように、コミュニティの3要素として定義。
インセンティブ、トラスト、コネクターの略で、ブローカレス的なコミュニティ構築には、この3つが必須となり、これをコミュニティに注入することが必要となります。
インセンティブ : やるき、動機づけ
トラスト : 信用、安心、セキュアーなプラットフォーム
コネクター : 誰もがコネクターの役割を果たし、つながりを生む
「SCBの解説」と「SCBの17箇条」のPDF版は下記のサイトにあります。
http://kumamotokeirin.scbrand.info/293200/220/